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300年近く昔、ある一隻の船上で30人の不死者が生まれた。彼らは錬金術師の集団で、船上で悪魔の呼び出しに成功し、与えられた不死の酒を飲んだ。その不死は完全な不死。心臓を潰そうが、脳みそをかきだそうが、毒を一升飲もうが、決して死なない。しかし、唯一の消える方法だけは存在している。それは、同じ不死者の右手を頭にかざして「喰いたい」と思うこと。そうすればかざされた右手に不死者は喰われ、今まで培ってきた経験も知識も記憶も、その全てが喰った者へと受け継がれる。そこで事件が起こる。ある一人の不死者が他者の知識欲しさにその場で捕食を始めたのだ。数人を喰らったところで男は追い詰められ、海へと逃げた。そうしてその場は一時収まった。
現在、世界中に散り散りになりながらも残った不死者は9人。その中の一人、マイザー・アヴァーロはあることを伝えようと他の不死者を探して旅をしていた。最初からの同行者、チェスワフ・メイエル。途中で見つけたナイル、シルヴィ・リュミエール。4人は合流し、ある村に向かっていた。その村に不死者の一人、「笑顔中毒者」エルマー・C・アルバトロスがいるという情報を得たからだ。彼にも会い、伝えたいことがある。300年前の惨劇の主人公であるセラード・クェーツが「喰われた」ということを。
4人がたどり着いた北欧の村は不思議な村だった。外界との交流は遮断され、自分たちにはこの上ない敵意の視線を向けてくる。そんな村にエルマーはいた。厳密に言えば、村から少し離れたところにある城に。エルマーはそこで、4人の少女と共に暮らしていた。村人から悪魔と恐れられながらも、過去と変わらぬ「笑顔」のままに。
隔離された村、離れたところに建つ城、謎の少女たち、エルマーの目的……物語は単純明快で、ところどころに答えやヒントを掲示しながら進行していく。それを拾うも捨てるも自由。ただ、最後には最高の「ハッピーエンド」が待っている。「笑顔中毒者」エルマー・C・アルバトロスが導く、「そのモノ」にとってのハッピーエンドが――
全部考えましたー。しんどいけど苦じゃない。書いててすっげぇ話を思い出して武者震いします。つまり……面白い!さすが成田良悟さんです!相変わらず、今まで全部のバッカーノ!を踏まえているんですよー。続刊物って前の巻の内容を踏まえないこととかよくあるじゃないですか?踏まえても、なんか違和感を感じるつなげかただったり。でも、成田良悟さんの作品は違います!最初は50ピースで作っていたジクソーパズルだったのに、気付いたらそれはもっと大きなジクソーパスルのほんの一箇所に過ぎなかった。それどころか、間に隙間まであり、いくら作ってもより大きな絵が見えてきてしまい、またピースを当てはめていく……そんな感じです。わかりづらいですが。とにかく面白い!最初のバッカーノ!からぜひ買ってください!
うあー、早く続きほしー!でも、ここまで中古で集めてきたから中古で見つけてー!