今日のお勧め品

彼らの中で、一番強いのは柿原里緒。一番厄介なのは佐伯ネア。一番凶暴なのは舞鶴蜜。だが、一番恐ろしいのは速見殊子。無限回廊は悲しき玩具にそう告げた。しかし彼はあまりにも愚かで矮小だったために、それを理解すると同時に勝負は決してしまった。せっかく自分の大好きな人形を手に入れたというのに。せっかく、人形の持ち主に勝ったと思っていたのに。彼の矮小な世界は、彼らの大きすぎる世界の前に飲み込まれてしまう。そして全一は、その絆をより確固としたものとした。
もう一方の絆は、あまりにも儚い一方通行の想い。人形だった彼女を人間にしてくれた。そのために、彼女は彼女との日々を忘れざるをえなくなってしまった。壊れた万華鏡はからからからからと空回る。彼女から最も遠いところで彼女を守るために。彼女の変わりに傷つくために。そして此度、壊れた万華鏡は二元を分つ永劫領域と交差する。元人形が永劫の人形と対する。ただ、彼女を守るために。
無限回廊は高らかに嗤った。確かな昂揚を感じた。失敗作と見切ろうとしていた全一が変わったことに対して、確かな喜びを得た。全一は、死と裏切りとを持って成長をし得た。そして、因縁の連鎖はより強固なものへとなっていくのであろう……日常は侵食される。それは無限回廊のごとく終わりの見えない。
わけのわからない紹介になってしまいましたが、レジンキャストミルク4巻、読了いたしました!いやぁ、面白かったー。学校で読みながら何度身震いしたか。今まではあまり出張らなかった佐伯ネアや速見殊子の虚軸も大分見れますし、なにより晶と硝子の絆が強くなるシーンは読み応えばっちし!蜜と殊子の過去話も入ってかなり物語として深い位置まで来た感じがします。あとは、無限回廊が残していった意味深な言葉がどう関わってくるのかというところですねー。とにもかくにも面白い!藤原祐さんはすごいです!こんな小説書いてみたい!最近小説書いてない!