人は意外と強く出来てる

自分が用意周到なタイプの人間だなんてことは思いません。でも、それなりの読みによる準備は出来ているつもりです。そしてそれらに極端な不備があるということも滅多にありません。ただ、そう……人間は脆くって、それでも意外と強いんです。
深夜の有明、私たちがスタッフに導かれてやってきた場所は真横に海がある長い一本道路。海と私たちの間に柵などはなく、ロープが申し訳程度に張ってあるだけだった。そこに至るまで何十分と歩かされ、私の体力もだいぶ削られていた。ほんの少しだけ疲労を感じる。そこで、私たちがスタッフから告げられた言葉は、朝の八時まではここにいるということ。
それは、死刑宣告にも等しかった。容赦なく吹き荒ぶ海からの寒風は春仕様の私服を空しくも通過していき、用意していたホッカイロも効果を示す事は出来なかった。
皆は今までの短い人生の中で、死というものを何度身近に感じたことがあるだろうか?私は奇しくも春の夜、初めての徹夜組と言う状況の中で死というものを大きく強く見つめてしまえた。幾度となく凍え、震え、耐え忍ぶ。ただじっと、耐え忍んだ。
やがて日が昇ったとき、少しの希望とそれを上回る更なる恐怖が訪れる。うっすらと浮かんできた太陽は暖かい光で私を照らした。だが、吹き荒ぶ海風は……その脅威を増す。
朝も十時を過ぎると風も和らぎ始め、私は、久しぶりの確かな生を感じることが出来た。人間は、強く出来てるんだ……まさか、コミケでこんなことを学ぶことになろうとは、人生というものはかくも奇怪な道を顕すものなのだろう。
ってなわけで、コミケに行ってまいりました〜。今回のコミケは……酷いです。ネットで感想とか書かれてると思いますので、是非見てみてください。私の口から語るよりも、他の方の評判を読んだほうがいいでしょう。私から言えることは……徹夜の意味ねーじゃん。